aiwellは、住友商事北海道株式会社(本社:北海道札幌市、取締役社長執行役員:金岡 秀紀)の協力を得て、備蓄米が美味しくなると言われている「竹炭入り炊飯」「お酢入り炊飯」および「通常炊飯」で、炊飯米のタンパク質解析を実施致しました。結果、「通常炊飯」に比べ「竹炭入り炊飯」「お酢入り炊飯」はタンパク質の分解傾向に特徴があり、美味しさに関与している可能性があることを把握いたしましたのでお知らせいたします。

■解析概要
<解析した米>
ブレンド古古米 (R4年産備蓄米:楽天生活応援米)
<炊飯方法>
・「通常の炊飯」
・古米や備蓄米などが美味しくなると言われている「竹炭入り炊飯」「お酢入り炊飯」
<解析サンプル>
a) 通常炊飯米の抽出液(炊飯米をすりつぶして抽出した液)
b) 竹炭入り炊飯米の抽出液(炊飯米をすりつぶして抽出した液)
c) お酢入り炊飯米の抽出液(炊飯米をすりつぶして抽出した液)
※ブレンド米の解析であることを考慮し、各3サンプルを解析
▮解析結果
①炊飯後のタンパク含量に違いがあることを把握。
「竹炭入り炊飯」「お酢入り炊飯」では、炊飯後のタンパク含量が「通常炊飯」より低下していた。これらの炊飯法では分解酵素などが活性化し、より多くのタンパク質がアミノ酸へと分解することで美味しさにつながっている可能性が考えられる。(図①②)

<図①:aiwell IPAで取得したタンパク質画像:タンパク含量の差異が浮き彫りに>

<図②:炊飯方法によるタンパク含量>
※タンパク濃度 (mg/mL) は炊飯米2.0gから抽出したタンパク質を100uLに溶解したもの。炊飯米の重量を測定し、1粒重 (mg) および生米1g相当のタンパク量を算出した。タンパク濃度は2D Quant Kit (Cytiva) を使用して測定した。この手法では原理上検出限界が設定されていないが、今回の測定結果は極低濃度域であり数値的な信頼性には欠ける。図①の結果も鑑みると、概ねの大小関係については反映されていることが推測できる。
②タンパク質の分解パターンに違いがあることを把握。
「竹炭入り炊飯」ではタンパク質が全体的に減少していたが、「お酢入り炊飯」では特定のタンパク質が減少していた。タンパク質の減少はアミノ酸への分解を示唆しており、分解された特定タンパク質が「竹炭入り炊飯の食味(例:ふっくら、甘みが増す、古米臭が消えるなど)」と「お酢入り炊飯の食味(例:ツヤ、口当たりがなめらかなど)」の差に関与している可能性が高い。(図③④)


<図④:通常炊飯とお酢入り炊飯におけるタンパク組成比較>
→タンパク組成に大きな変化。特定のタンパク質(○部分)が分解された可能性が高い。
<注意事項>
なお、炊飯器メーカーでは、お酢が内釜の表面加工を劣化させる原因になるとして炊飯時・炊飯後を問わず炊飯器に直接お酢を投入することを推奨していない場合があります。
ご注意ください。