BUSINESS

プロテオミクス事業
AIプロテオミクスの可能性
タンパク質を網羅的に見える化し、比較できれば、人の健康状態がわかる

私たちの身体は多くの細胞から成っています。そしてその細胞を動かしているのは(細胞内の分子機械であり、実に様々な役割を担っている)今回の主役、タンパク質です。

遺伝子は身体の設計図であると言われていますが、それはこのタンパク質の設計図が遺伝子だからです。しかし、設計図(遺伝子)を読むだけでは、その時々に何が起きているのかは分かりません。それに対して、細胞内でどのようなタンパク質が作られているのか、またそれらのスイッチのオン/オフを細胞全体で調べることで、私たちの体内で今起こっていることすべてが分かってしまうのです。

タンパク質を様々な機械、人間をひとつの社会に例えてみましょう。様々な設計図から、その時々の状況に応じて様々な機械が必要に応じて作られますが、もしも街中に戦車や潜水艦がたくさん見られればその社会は、その時は戦争状態なのだと判断できます。しかし、やがて戦争が終わり、ブルドーザーやトラックが見えるようになると、その時、その社会は復興中であると判断できます。すなわち、社会を支える機械の種類や状態(休止状態か稼働状態か)はその時の状況に応じて変わり、そこで活動している機械の種類や状態を見ると、その社会の現状が分かるということです。身体も同様です。

このように、その時々の身体の状態によって体内に存在するタンパク質の種類や状態は常に変化しており、また、今のタンパク質全体の状態を見れば、現在の身体のことが一瞬にしてわかるというわけです。

もしも体内に存在しているすべてのタンパク質の状態を1つの絵のように画像化することができたら、その画像から身体の状態を知ることが出来ます。また、過去、現在、未来とその画像を見比べることで健康状態の変化は一目瞭然です。さらに、タンパク質は人間だけでなく、あらゆる生物の生命活動を支えているので、(「構成タンパク質の状態の網羅的な見える化」は)生きているすべてのものの健康状態の把握に応用できます。

産学連携で実現した、独自の生体判断技術健康を見える化する「AIプロテオミクス」とは

体内に存在しているすべてのタンパク質の状態を網羅的、かつ、俯瞰的に観ることをプロテオミクス(proteomics)と言います。

プロテオミクスの技術の一つである二次元電気泳動法では、生体内のタンパク質の状態を1つの絵のように画像化します。この画像が究極の生体判断法であることは、遺伝子の本体であるDNAの構造が解かれて、そこに蓄積されている情報をもとに、その時々の状況に応じてタンパク質が生体内で作られるということが解った30年前から言われていました。しかしながら、これまではこの画像を簡便かつ短時間に得ることが出来ず、長い間、研究や一部の最先端医療でのみ、この技術が使われていました。

しかし、最近になって、東京工業大学ではこの画像を簡単に得る技術の開発に成功し、さらに、この技術によって得られる大量の画像(ビッグデータ)をAIにより判断することにも成功しました(=“AIプロテオミクス”)。

この技術を用いれば、論理的には、AIが学習するためのデータさえ用意することが出来れば、病気の超早期発見だけでなく、日常生活における健康管理、さらには、人間だけでなく家畜や野菜の品質管理も可能となります。

高品質なデータバンクによる、持続可能な健康社会の実現

AIプロテオミクスの技術では、AIの学習が進めばあらゆる健康状態を把握できるようになります。そのためには様々な状態のタンパク質の画像データをAIに学習させなくてはいけません。

そこでaiwellでは、海外のバイオバンクなど多くの機関と連携して、血中タンパク質の提供を受けています。また、微量採血キットを販売することで、個々人のデータの入手も可能にしています。

提供されたタンパク質のデータは1つの保管場所できちんと管理され、病院やメーカーなど様々な事業者と共有することで、未来のユーザーが個人の健康状態を常に把握したり、早期に処置が受けられたりと、有益なサービスを提供できるシステムの構築を目指しています。このようなサイクルによって、持続可能な健康社会の実現が期待できます。

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