aiwellは、住友商事北海道株式会社(本社:北海道札幌市、取締役社長執行役員:金岡 秀紀)などの協力を得て、米に含まれる約700種のタンパク質の解析を、備蓄米と令和6年産米(計10品目)で実施致しました。結果、データ傾向に大きな違いは無く、備蓄米においても一定の品質を確認できたのでお知らせいたします。また、当社は、炊飯前後で米のタンパク質構成に変化があるか否かの解析もおこなっており、今後、食味との関係についても研究を進めていく予定です。

■解析概要
<サンプル>
① 銘柄米(令和6年産)計7種
コシヒカリ、ササニシキ、つや姫、ななつぼし、ゆめぴりか、新之助、青天の霹靂
② 複数原料米 (令和6年産)計1種
いつものお米
③ 複数原料米(備蓄米含む)計2種
楽しい食卓(令和5&令和6年産)、楽天生活応援米(令和4年産)
<解析手法>
・aiwell IPAを用い、米のタンパク質解析を実施し、上記10品目に共通する
709個のタンパク質スポットを抽出。

・709個のタンパク質スポットの数値(タンパク質量)を用いて、
2種類の分析手法でデータの異同を評価。
【1:平均相関係数】
・10品目の全ての相関係数(R2値)を求める
・各品目において、他品目(9種)との相関係数の平均値を求め比較
【2: 主成分(PCA)分析】
・ソフトウェアで主成分分析を実施
・データの分散が最大になるようにパラメーターを選択
■解析結果
【0:総評】
・タンパク質解析をもとにした「平均相関係数による評価」「主成分(PCA)分析による評価」共に、備蓄米にのみ特別なデータの傾向を認めることはできなかった。
・結果、タンパク質の構成上、備蓄米においても令和6年産米同様の状況を把握するに至ったことから、品質においても同様の傾向があると推測する。
【1:平均相関係数による評価】
・平均相関係数は、比較した10品目それぞれについて、他の9品目と「似ているかどうか」の尺度で、1.0に近いほど似ていることになる。
・備蓄米(下図オレンジ色)と銘柄米の違いは、銘柄米の品種間の違いよりも小さい。
・品目によっては、備蓄米でも銘柄米とタンパク質プロファイルが類似している。
・よって、備蓄米のみに特異なデータ傾向があるわけではない。


【2: 主成分(PCA)分析による評価】
・それぞれのサンプルは709個のタンパク質の量に関するデータを含んでいる。これらのタンパク質組成に関する傾向によって、二次元座標上にサンプルを配置しているため、似た傾向のサンプル同士は近くに位置することになる。
・座標上では、銘柄米、銘柄米(北海道)、複数原料米の3種類にグループ分けできる
データ分布となった。
・下方に分布する3品目はいずれも複数原料米で、備蓄米(下図オレンジ色の品目名)の2サンプルはこのグループに分類された。
・結果、備蓄米に特別なデータの傾向は見いだせなかった。
