プログラム概要
A-STEPのトライアウトタイプは、大学等の研究成果に基づいた技術の実現可能性を検証する公募型の研究開発費支援制度(研究費支援)と、マッチングプランナーによる産と学のマッチングや事業化に向けての研究開発活動の支援(人的支援)により、本格的な産学共同研究開発への移行へつなぐプログラムです。
今回の公募では「with/postコロナ社会の変革」や「社会のレジリエンス向上」を含めた社会課題の解決に資する、大学等の研究成果に基づいた、開発ニーズを持つ企業等が着目する技術の実現可能性を検証するための試験研究を実施します。
研究概要
研究開発課題名【AIプロテオミクスによるCOVID-19の早期診断法の実用化研究】
研究代表者【国立大学法人 東京工業大学 生命理工学院 林 宣宏教授(採択時は准教授)】
「本研究では、これまでの独自の高性能二次元電気泳動技術を使って敗血症の未知の発症メカニズムの解明に成功した技術を用いて見出す COVID-19 の1陽性、2陰性を見分けるバイオマーカーのセットを用いて、簡易型早期診断法を開発する。また、1陽性、2陰性、3健常が見分けられる AI を育てる。これにより、現在は 陰性=健常 とされているCOVID-19に関して、陰性時を健常時とは異なる未病時として扱い、COVID- 19 を未病段階で検出する早期診断、および無症状でも診断出来る技術を開発する。本研究では遺伝子産物の挙動を網羅的に監視すること(プロテオミクス)により、生体そのものをセンサーとした、感染症の早期診断法を樹立する。 」
今後の計画について
2018年1月に創業したaiwellは、東京工業大学 生命理工学院 林 宣宏研究室と次世代技術“AIプロテオミクス”に関する共同研究を2018年10月より開始し、2019年4月には東京工業大学 大岡山キャンパス内に「国立大学法人東京工業大学オープンイノベーション機構aiwell AIプロテオミクス協働研究拠点」を開設。2019年12月には東工大発ベンチャー認定企業となり、“AIプロテオミクス”に関する研究開発とその実用化、社会実装を推進しています。
本研究開発目標が実現した暁には、aiwellも本プログラムの参画機関として本研究の社会実装の一翼を担っていきます。
参考資料
採択結果に関するJSTプレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1496/index.html
AIプロテオミクスとは
国立大学法人 東京工業大学 博士(理学)、同大学 生命理工学院 准教授の林 宣宏氏が発明した、生体の状態をプロファイルする次世代特許技術。二次元電気泳動技術の(大量の検体を扱うための)ハイスループット化と(微量な検体でも分析を可能とする)高感度化に成功。血中タンパク質の二次元電気泳動画像をAIが学習することにより、様々な病気や怪我になる一歩手前の状態を発見する画期的な研究として注目されています。敗血症においては、98.2%の精度で的確な判断を可能にしました。
〈国立大学法人東京工業大学 概要〉
大学名 国立大学法人 東京工業大学
代表者 渡辺 治
設立 1881年5月26日
所在地 東京都目黒区大岡山2-12-1
HP https://www.titech.ac.jp/
〈aiwell株式会社 概要〉
東工大発ベンチャー認定企業。2018年、AIプロテオミクスの実用化を進めるための共同研究を東工大と開始。2019年4月には協働研究拠点を東工大の学内に設立。
AIプロテオミクスの社会実装を進めることで、病気や怪我の自覚症状が出る前、そして重篤化をする前にAIの画像判断による診断支援や遠隔診療支援、創薬支援が可能になるサービスの実現を進めています。現在AIプロテオミクスの実用化、汎用化と社会実装を進めるため、各企業との共同研究を行っています。
会社名 aiwell株式会社(アイウェルカブシキガイシャ、英文表記:aiwell Inc.)
代表者 代表取締役 馬渕 浩幸
設立 2018年1月23日
所在地 東京都千代田区二番町9−3 THE BASE 麹町
会社HP https://www.aiwelljapan.com
AIプロテオミクス紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=uGXMXDuDV38&t=3s