aiwell株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:馬渕 浩幸、以下「aiwell」)は、JAXA発ベンチャーの株式会社ツインカプセラ(本社:茨城県つくば市、代表取締役 宮崎和宏、以下「ツインカプセラ」)とツインカプセラが開発中の超高性能断熱保冷容器をaiwellの微量採血キット『aiwell care』およびプロテオミクス用血液検体の保冷輸送に活用する技術実証および事業実証実験に関する業務提携契約を締結しました。
■業務提携の背景
aiwellは、タンパク質の網羅的解析技術「プロテオミクス」の実⽤化、社会実装を推進する東⼯⼤発ベンチャーで、⾃宅にいながら簡単に病院と同精度の⾎液検査ができる微量採⾎キット「aiwell care」を販売し、これを⽤いた病気・怪我の早期発⾒・早期治療に役⽴てる検査サービスを展開しています。通常の微量採⾎では最⼤15項⽬程度ですが、aiwell careでは最⼤45項⽬の検査が可能です。
検査⽤の⾎液検体は、採取から検査・分析を実施するまでの間、検査結果の正確性が保証されている温度範 囲に維持・管理することが不可⽋です。従って、信頼性の⾼い詳細な検査を⾏うためには、病院で採⾎しその場で分析を⾏うか、⾎液を輸送する場合には、基本的に厳格な温度管理が必要となります。そこで、ツインカプセラの持つ新技術に着目し、将来の製品・サービス開発のための輸送方法を検討しております。
ツインカプセラは、タイガー魔法瓶株式会社(以下、タイガー魔法瓶)との業務提携により、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)のHTV搭載⼩型回収カプセルの断熱保冷容器技術を活⽤した製品開発を進めておりますが、この度、製品プロタイプの準備の⾒通しが⽴ったことを受け、ツインカプセラとaiwellは、同プロトタイプを⽤いた実証実験を共同で実施することとなりました。
ツインカプセラの超⾼性能断熱保冷容器は、JAXAの再突⼊カプセルによる国際宇宙ステーションからのタンパク質結晶の保冷回収において既に実証されているように、外部の温度変化の影響をほとんど受けず⻑期間温度維持が可能であるという特⻑から、輸送中の検体温度を必要な温度帯に厳格に維持することが可能であり、⾎液検体の輸送・保管における温度維持のニーズに対して⾼い親和性を有しています。
共同実証実験にかかる本業務提携は、aiwellの検体輸送における温度管理のニーズとツインカプセラの技術シーズが合致したことにより実現したものです。
■共同実証実験の概要
今回の実証実験(※1)では、「輸送中の温度逸脱が許されない⾎液検体」を保冷対象物と設定し、aiwell careの微量採⾎キットを⽤いて、ツインカプセラの超⾼性能断熱保冷容器プロトタイプ(※2)を⽤いた実輸送環境における検体保冷のデモ実験を⾏います。
※1 本実証実験は、ツインカプセラが、令和3年度に茨城県が実施している次世代技術活⽤ビジネスイノベーション創出事業のビジネスプラン実証⽀援事業の⼀環として実施(https://tsukuba-gi.jp/description/creation/)
※2 プロトタイプ製作を含めた断熱保冷容器の開発は、ツインカプセラが、タイガー魔法瓶との業務提携により実施中
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000076369.html
具体的には、採取した⾎液を封⼊したaiwell careの採⾎管を保冷容器内に格納し、⾃宅等を模擬した場所から検体分析を⾏うセンターまで常温の郵送サービス(⾮クール便)を⽤いて「保冷輸送」を⾏います。また、輸送中の検体温度を保 冷容器プロトタイプに付属のIoTデバイスによりリアルタイムでモニタすると共に、詳細温度データや運⽤性に関するフ ィードバック等を製品に反映し、最終製品の完成度の向上を図ります。
■共同実証実験の狙い
この実証実験により、ツインカプセラとしては、超⾼性能断熱保冷容器の技術的な実⼒(⾮クール便でのEnd-Endの確 実な保冷輸送や⾎液検体以外も含めた要保冷品の低コスト輸送等へのポテンシャル等)やその保冷輸送・保管等の事業へ の有効性・実⽤性を実証すると共に、本業務提携を通じ、aiwellのAIプロテオミクス事業が⽬指す病気や怪我の早期発⾒・早期治療に検体の温度管理の側⾯で貢献することを⽬指します。
■関係者コメント
aiwell(株)⾺渕 浩幸 代表取締役
この度、ツインカプセラ社と実証実験をスタートできることとなりましたこと、⼤変光 栄です。
当社aiwellは、タンパク質の次世代網羅的解析技術“AIプロテオミクス”の社会実装を⽬指しております。検体として⾎液輸送は必須で、従来の⾎液輸送には機材を含めて⾼い輸送コスト、定温輸送の限界など様々な課題がありました。今回、ツインカプセラ社との実証実験では、そういった課題解決のため、⾎液検体における専⽤の⼩型コンテナの開発、運⽤試験を⾏います。宇宙の可能性を運んだツインカプセラ社の技術で、私達に⾝近な健康、医療などの分野 がより安全に、より成⻑できると、⼼から願っております。
aiwell株式会社 代表取締役 ⾺渕浩幸
(株)ツインカプセラ 代表取締役 宮崎和宏
この度、再突⼊カプセルの断熱保冷技術を地上に活⽤する「最初の実証実験」につい てお知らせできることを、⼼から嬉しく感じております。
ツインカプセラは、当初より、リキッドバイオプシーなど⾎液検体を扱うバイオメデ ィカル系の分野における保冷・保温輸送との親和性の⾼さに着⽬し事業開発を進めてき ましたが、この度、⾺渕社⻑には、AIプロテオミクスへの有効性を実証する機会を与え て頂き、⼼から感謝しております。また、本実証実験に関しご⽀援頂いております茨城 県「ビジネスプラン実証⽀援事業」等の関係者の皆様にも、この場をお借りして御礼申 し上げます。
今回の実証実験をツインカプセラの断熱保冷容器の実⼒と有効性を広く知って頂く機 会とし、今後、医療分野を初めとした様々な分野・⽤途で広くご活⽤頂けるよう、⾎液検体に留まらず、各種事業分野毎でパートナーシップを構築し共同実証実験等の協⼒を推進して参ります。今後とも、ご⽀援の程、宜しくお願い致します。
■参考情報
<AIプロテオミクスとは>
国⽴⼤学法⼈ 東京⼯業⼤学 ⽣命理⼯学院 准教授 博⼠(理学) 林 宣宏⽒が発明した、⽣体の状態をプロファイルする次世代特許技術。⼆次元電気泳動技術の(⼤量の検体を扱うための)ハイスループット化と(微量な検体でも分析を可 能とする)⾼感度化に成功。⾎中タンパク質の⼆次元電気泳動画像をAIが学習することにより、様々な病気や怪我になる
⼀歩⼿前の状態を発⾒する画期的な研究として注⽬されています。敗⾎症においては、98.2%の精度で的確な判断を可 能にしました。(関連動画: https://www.youtube.com/watch?v=uGXMXDuDV38&t=3s)
<HTV搭載⼩型回収カプセルとは>
JAXAが国際宇宙ステーションから⽇本独⾃の物資回収技術を実証するために開発した再突⼊カプセル。格納した宇宙 実験で⽣成したタンパク質結晶を4℃に維持した状態で回収に成功。⼤気圏再突⼊中も含めた回収までの5.6⽇間の断熱保冷容器内のサンプルの温度変化は0.3℃と、⾼い断熱保冷性能が実証されており、ツインカプセラはこの技術を継承し ています。(関連動画: https://twincapsula.co.jp/news/gift-from-outer-space.html)
<株式会社ツインカプセラ>
会社名 株式会社ツインカプセラ(英⽂表記:TwinCapsula Inc.)
代表者 代表取締役 宮崎 和宏
設⽴ 2021年3⽉8⽇
所在地 茨城県つくば市千現2-1-6
事業 断熱保冷保温容器およびその他熱制御関連機器等の企画、開発、製造、販売、コンサルティング等
その他
JAXAベンチャー認定事業者(https://aerospacebiz.jaxa.jp/venture/twincapsula/)
茨城県令和3年度次世代技術活⽤ビジネスイノベーション創出事業(ビジネスプラン実証⽀援事業)⽀援対象事業者
令和3年度いばらきチャレンジ基⾦事業(新技術・新製品開発促進事業)採択事業者
会社HP https://twincapsula.co.jp/
Facebook https://www.facebook.com/twincapsula/
<aiwel株式会社 概要>
東工大学発ベンチャー認定企業。2018年、”AIプロテオミクス”の実用化を進めるための共同研究を東京工業大学と開始。2019年4月には協働研究拠点を東京工業大学内に設立。
AIプロテオミクスの社会実装を進めることで、病気や怪我の自覚症状が出る前、そして重篤化をする前にAIの画像判断による診断支援や遠隔診療支援、創薬支援が可能になるサービスの実現を進めています。現在AIプロテオミクスの実用化、汎用化と社会実装を進めるため、各企業との共同研究を行っています。
会社名 aiwell株式会社(アイウェルカブシキガイシャ、英文表記:aiwell Inc.)
代表者 代表取締役 馬渕 浩幸
設立 2018年1月23日
所在地 東京都千代田区二番町9−3 THE BASE 麹町
会社HP https://www.aiwelljapan.com
AIプロテオミクス紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=uGXMXDuDV38&t=3s