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PRESS 2026/04/03
ジンベエザメなどの健康状態を“見える化”へ軟骨魚類の健康状態可視化に向けた共同研究を開始

aiwellは、沖縄美ら海水族館を管理運営する一般財団法人沖縄美ら島財団(以下、「沖縄美ら島財団」)および住友商事北海道株式会社とともに、ジンベエザメやナンヨウマンタなどの軟骨魚類の健康状態を科学的に把握することを目的として、本年2月に共同研究契約を締結しました。4月から本格的な共同研究を開始します。

本研究では、aiwellが独自に開発したタンパク質バイオマーカー迅速探索プラットフォーム「aiwell IPA」を活用し、血液中のタンパク質の変化から健康状態を客観的に評価する手法の確立を目指します。動物に生じる微細な生理学的変化を早期に把握することで、科学的根拠に基づく飼育管理の高度化と動物福祉の向上を目指すとともに、将来的には水族館における多様な動物種への応用展開を視野に入れています。

 

※写真は左から、沖縄美ら島財団 村雲看護師、aiwell 中崎取締役・研究統括ディレクター、aiwell 馬渕代表取締役、沖縄美ら島財団 総合研究所 佐藤所長(沖縄美ら島水族館館長)、住友商事北海道 後藤副部長、住友商事北海道 髙橋チーム長、沖縄美ら島財団 沖縄美ら海水族館松本統括

 

■ なぜ今、この研究が必要なのか
ジンベエザメやナンヨウマンタを含む軟骨魚類は、哺乳類や一般的な魚類とは生理学的特性が異なります。沖縄美ら海水族館では、これらの種に対し独自の血液検査に基づく基礎的な健康評価を継続的に実施し、科学的根拠に基づく飼育管理を行ってきました。

本研究では、既存の健康評価を基盤にプロテオミクス解析を導入し、血液中タンパク質の変化を網羅的に解析することで、より詳細かつ客観的な評価の実現を目指します。同一個体から長期的・定期的に蓄積された血液検体と飼育・健康記録を併せ持つ例は限られており、本研究はこうした長期データ基盤を活用した、健康管理の質の向上と動物福祉のさらなる充実を図る新たな試みです。

 

■ 研究の内容
本研究では、軟骨魚類の血漿(血液成分)を対象に、二次元電気泳動および質量分析を用いた網羅的なタンパク質解析(プロテオミクス解析)を行います。
主な取り組みは以下の通りです。
① 血漿タンパク質の網羅的データ取得と解析基盤の構築
② 健康状態の変化と相関するタンパク質の特定
③ 将来的な診断指標としての活用および社会実装の検討
■ 期待される成果
これまでの予備研究では、免疫系や炎症に関連するタンパク質、栄養状態や細胞の恒常性に関わるタンパク質の変動が確認されています。本研究により、これらを客観的な『健康指標』として確立することを目指します。
将来的には、水族館や研究機関における健康管理体制の高度化、さらには希少種の長期育成や保全技術の発展にも寄与することが期待されます。

 

■ 各社の役割
沖縄美ら島財団:検体採取および飼育データとの統合解析および生理的評価
aiwell株式会社:タンパク質網羅解析およびバイオマーカー探索
住友商事北海道株式会社:市場性調査および社会実装戦略の立案

 

■ 今後の展望
本研究は、水族館における動物医療および飼育管理技術の高度化のみならず、海洋生物の保全という社会的課題への貢献を目指すものです。『見えない変化を“見える化”する』技術によって、未来の海の命を守る新しい基盤を築いてまいります。

 

■aiwell株式会社について

aiwellは、東京科学大学発バイオベンチャーで、プロテオミクス(タンパク質解析)を社会実装する企業です。

東京科学大学発の技術を基盤に、血液中のわずかなタンパク質変動から、健康状態や疾患リスクの兆候を可視化する独自の解析プラットフォーム「aiwell IPA」を開発しました。

「aiwell IPA」は、AI画像解析と質量分析を組み合わせ、これまで時間とコストを要したタンパク質バイオマーカーの探索を大幅に効率化。

医療・ヘルスケア分野にとどまらず、畜産・農業・食品分野でも応用が進んでいます。

aiwellは現在、新川崎に「プロテオミクス・イノベーションセンター(PIC)」を設立し、国内外の研究機関や企業と連携しながら、独自のタンパク質解析による健康予測・疾病予防の実用化を推進中です。

 

aiwellは以下3件の特許を取得しております。

・無洗浄タンパク質ゲル染色剤(特許第7113446号)

・情報処理システムおよびプログラム(特許第7215682号)

・情報処理システム、特定システムおよびプログラム(特許第7670286号)